脱サラコピーライターのほぼ日刊ブログ

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元大企業の営業戦略&数値分析担当のサラリーマンが二児の子供を養いながらコピーライターとして独立した頭の中を淡々と書く。マーケティングや心理学の事を中心に、たまに子育て話を書くブログ。

あなたはどっち派?美容師さんに教わった心理クイズに考えさせられた話

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先日も「僕は人とよく話す」という事で、一番頻度の多いタクシー運転手さんとの話を書いた。

www.oganomasaya.com


今回はもう一つよく話す相手、美容師さんだ。

僕は別に美容室には拘りが無いから1,800円でカットしてくれるシャンプーのないところで切っている。ただ、実は東京の人気店にクーポン持って出かけるより、こういう所で切った方が実はちゃんとカットしてもらえるのだが、その辺のカラクリはまた今度書こうと思う。

で、いつもの様に最寄りの店舗に行こうと思ったが、なぜかこの日ちょっと遠い方の店を選んだ。そしてこの話を聞く事になった。

こういうクイズからは色々な学びを得る事ができるが、大事なのはそのクイズで賢いと思われる回答をする事ではない。その場の状況に合った回答ができるか?という事だ。

面倒なお客さんの話

その日僕は「フェザーバック」という髪型にしてもらう事にした。なんかカッコいいよね、響きが。フェザーバック。フェザーバック。うふふ。

なので、「じゃあ、髪型いじられたら『あっ、これ?フェザーバック』ってドヤ顔すればいいですかね?」と言ってみたら、「それはあんまりお勧めしません」という真面目な回答。ノリ悪いなぁと思いつつ、理由を聞いてみたら、「髪型の名前はかなり曖昧で適当だから」とのこと。

そんなスタイル無い

雑誌とかで「なんちゃらキューティクル・エアリーなんちゃらスタイル」みたいなのが載っていたとして、そういうのは雑誌が勝手に付けた名前であることが多いらしい。別に勝手に名前を作るのは構わないが、困るのはそれを見て

「(あの雑誌で特集してた)なんちゃらキューティクル・エアリーなんちゃらスタイルにしてください」

とか、さも当たり前のような顔をして言ってくるお客さん。無駄に意識が高い上に、そのスタイルが美容師共通の知識だと思ってるから、「それは雑誌独自のスタイルで・・・」などと説明しようものなら、相当面倒くさそうな顔をされてしまうらしい。

言ったままを信じてもいけない

もし手元に雑誌があって「このモデルさんと同じ長さで」となんちゃらキュー(ry を指して言ってきても、それが本当に同じ長さなのか、モデルさんのように見える状態をのぞんでいるのか、分からない。どちらにするかで、まるで違う印象の髪型になってしまう。

女性は特に首の長さ、髪質、肉付きでかぶさる髪型の印象が変わるからだ。

当たり前のように聞こえるかもしれないが、こういうちょっとした確認を怠って、満足してもらえないスタイリストが普通にいるという。

まぁそんな話をしている中で、美容師さんがふと思い出したように、言った。

「実はある究極の質問というのがあるんです」

究極の2択

「お客さんがもし小さな島に行かなきゃいけなくなったとします。人口も少ないから美容師も2人しかいません。一つはたまに町で見かける昔からのボロい美容室で、スタイリストさんも髪型はボサボサ。今でもありますよね、そういう所。もう一つはお小綺麗なお店でスタイリストさんもおしゃれなところ。どっちに行きたいですか?」

何気なく聞きながら

「そうですねぇ、やっぱり綺麗な方に行っちゃいますね」

と答えた。

「そうですよね。でも・・・」

深い質問、そして浅い僕

「でも、そのおしゃれな美容師さんを切ってるのは誰か?っていう話なんですよね」

ぐはぁ。

油断していたとは言え、何と浅い回答をしたんだ。正に相手の思うつぼの回答。「ピザって10回言って」ってやつに引っかかった気分だ。

賢くはないが状況に合った回答

話の流れとしては、見た目とかじゃなくて、そういう風にお客様をちゃんとキレイにかっこ良くしてあげられる美容師の所に行かないといけない、とか。そういう事の為のクイズだったんだけど。僕は違う視点でこの会話の事を考えていた。

このクイズを出されたら

「なるほどね、ボロい方の美容師さんがおしゃれ美容師さんを切ってるってことか」

って鋭く気づく人も多いと思う。クイズを作った人の意図を読み切って。今までこの手のクイズで「絶対に賢い答えを言い当ててやるぅ!!」って競争心を燃やしていた記憶がある人は要注意。そういう回答は、特に1対1の場面なら状況に適した回答であるとは言えないからだ。

このクイズを”出した人”はどういう回答を期待しているだろうか。「ああ、そういうことね」とドヤ顔で言われて気持ち良いだろうか。きっと、まんまと「キレイな美容室」と言ってほしいに違いない。そして、「ああ〜やっぱりそっち行っちゃいますよね〜でもね・・・」と自分がドヤ顔で説明したいはずだ。

今回は僕は図らずにそういう回答をしたので、その後の話も弾んで、他にも色々と教えてもらえた。そして最後に「今日は勉強になりました、こっちの店に来て良かったです」と伝えたら、美容師さんは照れながらも嬉しそうにしていた。

まとめ

心理クイズは好印象を与えるチャンス

正しい回答、賢い回答が、その場の状況においてもっとも適した回答であるとは限らない。むしろそうでない場合も多い。相手の心理を読み、状況に適した答えを回答すれば、あなたは相手に良い印象を与え話も弾むだろう。でもそんなに難しいことじゃない。

クイズの意図を読み、賢い答えを言う⇒嫌な奴
クイズの意図を読み、引っかかる⇒好印象
クイズの意図が分からず、賢い答えを言う⇒どっちでもない
クイズの意図が分からず、引っかかる⇒好印象

確実に印象を悪くするのは1つだけ、3/4は問題無く話を続けられる。

ちなみにその後、僕はその美容師さんを次回指名すると約束した。そして名前を聞いた。1,800円のカットの店で、しかも男の客で500円払って指名をする奴なんてそうそういないはずだ。

表情は驚きの方が強かったように感じたが、「有難うございましたー!」という声は明るく弾んでいたように思う。

次も面白い話を聞かせてくれるはずだ。